現代の様にパソコンやスマホの電子メールが普及していなかった時代。

年賀状や、暑中見舞いを郵便で送るのは、毎年の恒例でした。沢山の宛先に送るのであれば、それだけ多く葉書を書かなければいけません。あまりにも量が多くてタイヘンなので、印刷所に出そうにも、当時は今よりも遥かに料金が高額だった為、なかなか一般市民には手が出ませんでした。…そんな中、これなら庶民にも手が届く!価格帯の印刷機が登場したのです。それこそが…。1977年に登場した…。年賀状や暑中見舞いの製作に最適!個人向け孔版(こうはん)印刷機「理想科学工業 プリントゴッコ」なのです。プリントゴッコの印刷方法は実にカンタンです。まずは原稿を描きます。その際、カーボンブラック(炭素)が含まれた筆記用具で描くのがポイントです。大方の人は、備品として売られていた「理想ペン」を購入した事と思います。カンタンな操作で多量に印刷が出来るという事で、「こりゃあ便利だ!」と大評判となり、プリントゴッコは大ヒットとなりました。特に現代の様に、「いらすとや」さんも居なかった時代…。イラスト原稿の素として利用が出来る、素材集が多く発売されて、人気を博しました。さて、この時、当初の年賀状や暑中見舞いの用途だけではなく、もっと別の用途に最適だ、という事に気が付いた人達が居ました。アマチュア無線家達です。アマチュア無線の世界では、QSLカード(交信した事を証明する為に、お互いに発行する葉書大の交信証明書)をQSO(交信)した件数毎に用意する必要があります。沢山交信したのであれば、交信証明書を大量に発行しなければいけません。しかし、手書きで作るのは大変だし、印刷所で印刷するには莫大なお金がかかります。プリントゴッコは、そんなHAM(アマチュア無線家)達の要望に応える商品となったのです。

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